02労働におけるジェンダー意識の国際比較

前ページ(1.労働におけるジェンダー問題についての日本の現状)では、日本の現状では女性の社会参加は徐々に高まりつつあるものの、男性ほど積極的に社会に受け入れられていないということについて述べてきました。

では、このような日本の現状は他国と比較してどのようなものなのでしょうか。
まずは、職場における男女の地位の平等感について見てみます。
下のグラフは女性が感じている、職場における平等感をあらわしたものです(内閣府「男女共同参画社会に関する国際比較調査平成14年度」より作成)。グラフでは、フィリピンを除くすべての国で、職場において男性の方が優遇されていると感じている女性の割合が高い。日本では、男女が平等だと感じる女性の割合は21.1%であり、フィリピンの50.5%に比べてかなり低い。また、イギリス、アメリカなどに比べても、日本の女性は職場において不平等を感じていることが多いようです。

さらに、「育児期にある夫婦の育児、家事及び仕事時間の各国比較」を見てみると(第23図)、日本の育児期にある夫の育児及び家事時間は他国に比べて短いことがわかります。そして日本では、妻も夫と同じように働いているにもかかわらず、夫が育児や家事をおこなう時間は、妻と比較してもかなり短いともいえます。

これは、日本の女性が仕事と家庭の負担を多く背負っていることを示唆し、男女の性別による役割分担の固定観念が残っていることのあらわれだといえるのではないでしょうか。